金属パーツも採用し、可動域と精密度を併せ持つフレームや、メタリックな表面処理が施された外装など、その豪華な仕様と新しいコンセプトが注目を集めている「1/100 ハイレゾリューションモデル ガンダムバルバトス」を、プロモデラー桜井信之が製作。
今回から、製作記事を開始します。
プラスアルファの塗装を施す
1/100 ハイレゾリューションモデル ガンダムバルバトス
ガンプラのニューブランド「ハイレゾリューションモデル」として、ガンダム・バルバトスが発売となりました。通常の1/100キットと比べるとかなり高価ですが、その理由は箱を開けた瞬間に納得できるでしょう。オーディオ業界では少し前から浸透し始めた“ハイレゾ”という言葉……、そもそもハイレゾリューションとは“高解像度”という意味で、CDなどに収録された音は実際の演奏とは異なり、メディアに収められる情報量に間引きされ収録されています。これをできる限り“生演奏”に近付ける情報量で収録したのが“ハイレゾ音源”と呼ばれる媒体です。つまりCDに収められた音と、生演奏による音では音の太さと繊細さ、奥行きと音圧がまったく違うということです。
この“ハイレゾ”という概念をトランスレートし、ガンプラに導入したのが本シリーズといえます。
ガンダム・バルバトスが実在したと仮定して、それを縮尺し模型化する際には、“実物”に存在する多くのディテールがスポイルされることとなります。実際にプラモデルも1/144・1/100・1/60では彫り込めるスジ彫りやディテールの数や密度もまったく異なりますし、HG・MG・PG・RGの各シリーズでは装甲の分割(パーツ分割)や可動領域に対する考え方もまったく別物です。これは先に発売され、同じくフレームを再現している「1/100 ガンダムバルバトス」と「1/100 ハイレゾリューションモデル ガンダムバルバトス」のフレームを見比べれば一目瞭然です。可動範囲はもちろん、再現されたディテールもまったく異なり“高解像化”されているのがわかります。つまり同じ1/100スケールでも再現された情報量は圧倒的に多く、これがハイレゾリューションモデルの特徴で、新ブランドの目的といえるでしょう。
フレームの塗装
さて、ではこのハイレゾリューションモデルをどう料理するか? まずはキットを素直に楽しむのが正しいでしょう。外装パーツもメタリックやパールコーティングが施されているので、これを剥がし、イチからフルペイントし直すのは現時点ではナンセンスに感じました。そこで、キットに施されたコーティングは活かす方向で、プラスアルファの塗装を施していきます。
まずはフレームです。永年放置された後、動力源として使用されていた状況を考えて、全身にサビ表現を加えることにしました。キットは金属を多用し、あらゆる可動に対しても耐久性と重量感を追求しており、組み立て済みでパッケージされています。
組み立て済みの状態に色を乗せていくので、ウォッシングなどでの“割れ”を回避するために、エナメルや油彩塗料の使用は避け、すべて水溶性アクリル塗料でウェザリングを施します。使用したのはMIGプロダクションズピグメント「ラスト」「ライトラスト」「ガンメタル」。これらをアクリル溶剤で溶き段階的に塗りつけ、乾燥後に余分なピグメントを落とす方法で着色しました。
金属部など塗料のノリが悪い部分や、効果を強調したい箇所は「アクリジョン・ツールクリーナー」で溶いたピグメントを塗布しピグメントの定着を高めています。
次回は、外装についてお届けします。
DATA
1/100 ハイレゾリューションモデル ガンダムバルバトス
■1/100スケール半完成キット
■発売中
■価格:17,280円(税込)
■発売元:バンダイホビー事業部
関連情報
- バンダイホビーサイト 1/100 ハイレゾリューションモデル ガンダムバルバトス
- ハイレゾリューションモデル 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ ガンダムバルバトス 1/100スケール 色分け済みプラモデル